高齢からくる身体的・精神的な症状と上手に付き合うために。
2007/02/22
高齢からくる様々な症状

年を重ねるごとに生理機能が低下するのは、ヒトの生物学的プロセスとして当たり前のこと。そこで大切になるのは、加齢による様々な症状を理解し、上手に付き合おうとする心がけです。
自分にも起こり得る身体的、精神的な変化を知り、高齢になっても充実した毎日を送ることができるよう準備をしておきましょう。
身体的な症状
認知機能・感覚機能の低下
■もの忘れ
五感から得た情報を処理して物事を認識し行動するという、人間の知的な活動を支える認知機能。
加齢に伴って徐々に衰え、瞬間的な判断ができなくなったり、記憶力が低下したり、さまざまな症状が現れます。
その最も一般的なのが「もの忘れ」。人の名前が思い出せない、うっかりミス、言葉の言い間違いなど、範囲が限られているものは年齢相応の生理的な現象と言えます。また、本人に忘れたという自覚があるうちは、それほど障害にはなりませんが、なかには病的なもの忘れもあります。
経験そのものが残らないという忘れ方をし、現在の時間、自分がいる場所も認識できないとなると日常生活に支障が出てきます。
病的なもの忘れは認知症につながる可能性があるので、早めに病院に行くようにしましょう。
■視力の低下
「角膜など光の通り道に障害がある」「網膜に障害がある」「目の神経に障害がある」、大きく分けてこの3つの原因により視力の低下が起こります。症状としては、ものがぼやける、二重に見える、目がかすむ、膜がかかっているように見えるなど様々です。
また、水晶体が白くにごる白内障は加齢とともに有病率が高くなり、65歳以上では95%になります。光やまぶしさに敏感になった、近視が進んだなどの症状が出たら、まずは眼科にかかりましょう。
■聴力の低下

60歳以上の3分の1が経験する聴力の低下。たいてい両方の耳に起き、特に高い音が聞き取りにくいという症状があります。
そのため「か行」「さ行」「は行」など、高い音域の子音を含む言葉の聞き間違いが多くなるでしょう。
体内機能の低下
■尿失禁
「お腹に力が入ったときに漏れる」「突然の尿意に我慢できず漏れる」「常に少しずつ漏れている」「歩行障害のためトイレに行けず漏れる」「認知症のためトイレ以外の場所で用を足す」など、尿失禁には様々な症状があります。だからといって尿失禁のために外出を控え、趣味や楽しみを制限するのはもったいないことです。
治療によって改善されるケースもあるので、一度、医師に相談しましょう。
■便秘
加齢によって生理機能が低下し、腸の働きが鈍くなると正常な排便が行なわれにくくなります。実際、65歳以上の約半数は便秘、または下剤の常用者と言われています。
便秘が慢性化すると、腸閉塞や直腸潰瘍などの合併症を引き起こす可能性も高まります。
また、薬の副作用も便秘の原因のひとつ。服用を中止してもよい薬かどうか医師に相談するといいでしょう。
運動機能の低下
■歩行障害
筋肉、骨、関節ともに、加齢により機能が衰え、日常生活の制限、動作に伴う痛みの原因となります。その症状の代表的なものである歩行障害は、脳や神経などの障害が関わる場合もあり、小刻み歩行、ぶん回し歩行、痙性歩行など数多くの症状があります。
■転倒
1年に1回以上の転倒を経験する人の割合は、自宅で暮らす高齢者では10〜20%、老人ホームなどの施設に入居する高齢者では20〜50%。さらに、屋内で転倒した人に骨折する傾向が強いということも明らかになっています。
骨粗鬆症により骨が弱くなっている人は、転倒するだけで骨折する可能性があるので、室内の段差をなくす、廊下やトイレに自動点灯ライトを設置するなど、住まいのバリアフリーを進めることが効果的な予防策になるでしょう。
精神的な症状
心身の衰え、退職、配偶者や友人の死など「喪失」を感じる出来事が多くなり、高齢になるとうつ病をはじめとする精神的な症状も起こりやすくなります。強い不安感、疲労感、意欲の低下、自信の喪失、食欲不振、睡眠障害…。
本来、適切な治療によって症状は改善されますが、本人の遠慮やあきらめ、認知症と判断する周囲の誤解などにより、治療が行なわれにくいという大きな問題があります。
家族や医師など周囲の人が症状をしっかり見極め、支えていく姿勢が治療の大きな力になるでしょう。
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